弁護士 山本衛 On Court

契約書のドラフト・校正で思うこと

だいぶ久しぶりの更新になってしまいました。
頑張って月2回のペースを保とうと思っているのですが、少し気を抜くとこれですね。
新型コロナ騒動でバタバタとしておりましたが、新しい事務所にて順調に業務をしております。

さて、今日は最近の業務で多くなってきた契約書のチェックです。
昨年以前に比べ、契約書のドラフトや校正を依頼される機会が一段と多くなってきました。

契約書のチェックを弁護士に頼むというと、どのようなイメージを持たれるでしょうか?
契約書の文言の修正、ちゃんとした法律の条文らしい文言にしてもらう?
契約書の条項の不利な点に気づいてもらい、修正してもらう?

もちろん、それらは重要です。
ですがそれは最低限の仕事で、契約書のチェックで重要なのはもっと別のところにあるように思います。

契約書は何のために作るのでしょうか?
当然、ビジネスがうまくいくためです。労働者との間の契約も、顧客との契約も、取引先との契約も、すべてはビジネスをスムーズにやっていけるように存在します。
法律家の役割は、事業の主体たるクライアントと目線を同じ方向に向けて、ビジネスの中での当該契約書の位置づけを正確に理解し、ビジネスのニーズにこたえたチェックをすることだと思います。

相手との関係でいくらでも契約条項が修正可能という局面はあるでしょうし、逆に、定型的な規約のようにほぼ修正不可能と思われる契約もあります。自分に有利に整わなければ契約はしないという場面もあるでしょうし、いくら不利な契約でもこの契約はしたい、という局面だってあるでしょう。あるいは、お互いにとって新しい試みを一緒にやっていこう、という契約では、互いに協議しながら条項を練っていく過程が必要です。
契約というのは相手にとってもビジネスを円滑にするためのツールですから、お互いの立場や契約の目的を考え、ウィンウィンの関係になる道を探るというのがまさに経営判断です。

弁護士の役割は、この経営判断を邪魔しないというのが最優先。
経営判断を理解したうえで、契約書の文言が抱えるリスクの説明や、文言の微修正などを試みます。
そして重要だと思うのが、「ない事項」への着目です。契約書の草案が出されたとき、現にある条文をチェックするだけというのは比較的容易です。だけど、「これが足りない」ということに気付くのは、無から有を生み出すわけですから条文のチェックよりもいっそう困難です。
「これが足りない」に気づくには、やはりこれまた依頼人の事業のことをよく理解し、当該事業において当該契約が締結された場合、その後の事業活動にどのようなリスクが生じ得るのかを考えなくてはならないと思います。契約が締結されて事業で用いられる様を想定しないと、抱えるリスクを先回りして契約書で封じておくことができないからです。

こう考えていくと、やはり普段からコミュニケーションを取り、事業の内容を他の一般的な弁護士よりも理解している顧問先事業者様の契約書チェックは、一般的なチェックに比べ、密度の濃いチェックができるなと感じます。
特に私にとってテニス関係の顧問先は、事業の現場で何が起こっているかが如実にわかるので圧倒的に助言がしやすいです。
もちろん、顧問先事業者様以外からのご相談も受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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