5年ほど担当させていただいていた,東京弁護士会の裁判員裁判対応弁護士養成部会の部会長を3月末にて退任しました。
この役職に就いて,とてもたくさんの貴重な経験をさせていただきました。
裁判員裁判対応弁護士養成部会は東京弁護士会の刑事弁護委員会内に設置される部会で,裁判員裁判を担うことのできる弁護士を育てるため様々な研修を実施することをその役割としています。その部会長として,様々な研修を企画立案し,実施してきました。
最も重要なのは,いわゆる法廷弁護技術研修でした。法廷弁護技術研修は,裁判員裁判の実戦さながらに受講生が証人尋問や弁論を実演する研修です。部会長として研修を差配すると同時に,5年間,ほぼ毎回研修の講師を務めてきました。
この経験により,何よりも自分自身の法廷弁護技術が格段に向上したと思います。研修の講師を務めることは,実は研修を受ける以上に自分の能力向上に役立つのです。研修をする中でほかの弁護士と議論したり,自分自身が技術について考えることができるからです。この経験が,自分が事件を担当する際の法廷の活動にとても活きました。
在任中に東京弁護士会における研修の数を増やし,法廷弁護技術研修以外の研修も充実させてきました。自分なりには,アイデアを絞って面白い研修をやってきたと思います。しかし,やっているうちに,そろそろ新しい視点で改革をしたほうがいいのではないかという気持ちが大きくなってきました。自分がやるよりも,自分がやり始めたころと同じ年代の若い弁護士にバトンタッチして新しいことをどんどんやったほうが,さらに良くなるのではないかと。
それで辞任を申し出,後任で当事務所所属の赤木竜太郎弁護士に席を譲りました。
今後も部会には残りサポートしていくことになりますが,院政などと揶揄されぬよう(笑)若手の活動を尊重していきたいと思っています。

裁判員裁判対応弁護士養成部会長を退任しました
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