土曜日を利用して,JTA公認審判員資格の取得試験を受け,無事,C級審判員のライセンスを受けてきました。
私には本業の弁護士業務がありますので,今後実際に資格を活かして審判をする機会はほぼないと思います。
ただ,弁護士としてテニス関係者の方に法的援助をするためには,テニスのルールはもちろん,テニスの試合がどう行われているか,テニスの試合に関係する人たちにどのような権限や義務が課されているかを知ることは重要だと思い,受験するに至りました(なお,C級の試験自体は,テキストを読んで講義を受ければ普通合格できる簡単なものです)。
テキストになるのは,このJTAのルールブックというものです。
業務の関係で今年版をいただく機会があり,それも受験の動機の一つになりました。
この本は,テニスのルール,日本での大会の運営についてJTA(日本テニス協会)が定めた規則,ランキングや選手登録の関連規則,JTA関連の規則が広く掲載されています。
もちろん,テニスの試合でボールがインかアウトか揉めたときに弁護士が出てくることはあり得ません(笑)。
しかし,テニス中の事故により損害賠償の請求がなされるなど,当事者の権利義務に関係のある事態が生じたときには,これが法的問題になる場合があります。こうしたケースでは法的問題の専門家である弁護士が援助をする必要のあるケースも出てきますが,問題の解決の上でテニスのルールやJTAの規則の解釈が法律問題の解決に関係してくることもあります。
この本には,JTAの倫理的な規律,ドーピングに関する規則や,賭博等の不正監視の国際的ルールなども載っています。スポーツ法の分野において,こうした規則により選手が不利益処分を受ける場面などは,弁護士がかかわらなければならない典型的な場面です。
法律だけではなく,こうしたスポーツ独特のルールや規則などについて気を配るのも,スポーツ法務に携わる法律家の重要な役割です。