【研修】戦略的被告人質問

 先日,弁護士ドットコムが主催する研修の講師を務めさせていただきました。
 研修のテーマは,
  「戦略的被告人質問」
というテーマでした。

 被告人質問は,刑事裁判の中で行われる手続です。
 通常,裁判の終盤に,被告人の主張を明らかにする手続として行われます。
 ただ,被告人質問は,被告人がただ単に話をするだけではなく,文字どおり弁護人や検察官,裁判官が被告人に「質問」する形式で行われます。
 この手続の中で弁護人が被告人の主張を効果的に引き出す必要があります。弁護人が被告人質問でどんなことを尋ねるかについては,一定の戦略や技術が必要なのです。

 研修では,まず,量刑事件の模擬事例を題材にし,依頼人にとって有利な量刑を導くために被告人質問でどのような工夫が考えられるかを議論しました。実際に受講生に被告人質問をやってもらいながら,講師としての考えを示しました。
 次に,事実を争う否認事件においての被告人質問の注意点について講師の考え方を示しました。
 さらに,これは意外に思われるかもしれませんが,依頼人の主張を最も効果的に伝えるために,被告人質問をしない(黙秘権を行使する)という戦略が考えられることについても,具体的な事例を交えながら話させていただきました。

 本研修は,法テラス多摩所属のスタッフ弁護士の村井宏彰弁護士と2人で担当させていただきました。
 終了後のアンケートでも,受講生の皆さんにはおおむね満足いただけたようで安心しました。
 こうした機会を与えてくれた弁護士ドットコム様にこの場を借りて感謝申し上げます。


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