弁護士 山本衛 On Court

刑事事件の弁護人の選び方

◆ 刑事事件の弁護士はよく選んでください

 近時、弁護士の広告などが解禁され、弁護士が身近になりました。
 これはとても素晴らしいことだと思います。
 一昔前は、刑事事件の弁護士を選ぶという発想が持ちにくい環境でした。
 今は、インターネット等の広告などにより、一般の方も刑事弁護士を選びやすくなりました。
 同時に、様々な情報があふれすぎて、どう弁護士を選んでいいかわからない、という方も多いと思います。
 選び方の細かな解説はほかのサイトに譲りたいと思いますが、私のメッセージは
「まず問い合わせて、会って比べてください」
ということに尽きます。
 弁護士は敷居が高く思うかもしれませんが、まず問い合わせてみてください。
 そして、できれば複数の弁護士に会い、比べてみてください。
 費用面の説明ももちろんそうですが、見通しや事案の問題点を明確に説明してくれるか、どんな弁護活動が重要となるかについてわかりやすく説明してくれるかなどを、可能な限り直接会って確かめてみることが重要です。
 時間がない中ですが、刑事事件の弁護士選びは、その事件の結論を左右しかねない問題です。
 ぜひ、よく選んでいただきたいと思います。

◆ 弁護士選びに関する誤解

 さて、その弁護士選びに関して、様々な噂が飛び交うことがあります。
 そして、その噂はだいたい誤解です。
 ここでは、刑事事件の弁護士選びにありがちな誤解について、私の意見を述べたいと思います。

その1 私選弁護の方が国選弁護よりも優れている??
 よく言われますが、必ずしもそうとは限りません。
 私は、私選弁護人が解任された事件で国選を担当したことがありますが、解任前の私選弁護人の活動が私から見れば質が悪いと感じられたことが多々ありました。
 逆に、国選弁護人の活動に不満があるとご相談にいらした方から話を聞き、国選弁護人の先生は良くやっている、変える必要はないと助言をしたこともあります。
 あくまで、弁護の質は、私選か国選かということではなくその弁護士の技量によります。

その2 ヤメ検弁護士を選任した方がよい??
 これも良く聞く話です。
 「ヤメ検」とは、検察官をやっていたが引退し、弁護士になった人のことをいいます。
 こういう話は、「「ヤメ検」は古巣である検察官にパイプを持っている,便宜を図ってもらえる」という意味でされることがあります。しかし、これは明らかに誤りです。検察官はそんなに甘くありません。
 一方で、もと検察官ですから、捜査の実情はよく知っていると思われます。その知識が弁護活動に役立つこともあるでしょうから、一概に誤りであるともいえません。
 結局、ヤメ検弁護士を選任した方がいいかどうかという点についても、個別の弁護士の力量によります。検察官的な視点ではなく「依頼人のため」という弁護人的な視点を正しく持てているかについても注意する必要があるかも知れません。

その3 ベテラン弁護士を選任した方がよい?
 刑事弁護は年を取るだけでできるようになるものではありません。
 素晴らしい熱意を持って刑事弁護に取り組む若手はたくさんいますし、それで結果を出す若手はたくさんいます。
 他方で、年を重ねる中でろくに勉強もせず、適当な弁護活動を行う弁護士をたくさん見ています。
 もちろん、長年刑事弁護に携わり、研鑽を怠らず、輝かしい弁護活動を行うベテラン弁護士を私もたくさん知っていて、とても尊敬しています。
 結局、どういう年齢の弁護士を選ぶかではなく、熱意や技量を持っている弁護士を選ぶということの方が重要です。

その4 インターネットで「刑事に強い」と謳っている事務所なら大丈夫?
 昨今、弁護士の広告が解禁され、多くの法律事務所がインターネットを用いた広告宣伝をおこなっています。
 しかし、ここで言っておきたいのは、インターネット上で刑事事件について大々的に広告している事務所であれば大丈夫だとは限らないということです。
 考えてみれば当然のことです。広告宣伝にお金をかける弁護士が、必ずしも刑事事件の弁護能力に長けているということにはならないのは当たり前です。
 実際に、こういった広告を大々的に行っている事務所について、専門家から見れば、その能力に疑問を感じざるを得ない事務所はあります。一方で、ホームページで宣伝をしている事務所でも、専門家から見てもきわめて評価の高い弁護士が所属している事務所もあります。もっというと、ホームページを持っていない法律事務所あるいは弁護士で、すばらしい能力を持った刑事弁護人といわれている弁護士も何人も知っています。
 しかし、それを、一般の方がインターネットを見て判断するのは、ほぼ不可能に近い状況だとおもいます。
インターネットだけではなく、実際に弁護士その人を見ることが重要です。また、私自身過去の依頼人の紹介や、ほかの弁護士の紹介でご依頼をいただくケースもたくさんあります。弁護士を探す方法はインターネットだけではないということも頭に入れておくほうがいいと思います。

◆ まとめ

 弁護士選びに困った場合には、まず弁護士に直接会うことです。国選だから信用できないと即断したり、ヤメ検を選べば大丈夫と即断したりするのは危険です。インターネットを用いて探した場合も、まずは弁護士と話してください。そして、できれば比べてください。
 限られた時間の中で、弁護士選びは簡単ではないと思います。
 この記事が少しでも弁護士選びの助けになれば幸いと思います。
 もちろん、私自身も、弁護士選びの一人の候補として、ご相談をいつでも受け付けております。

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